クレジットカードの利用で貯まったポイントが自動でETFに投資されるサービスが登場しました。
サービスを提供するのは、FXやCFDでお馴染みのインヴァスト証券。
ジャックスカードと提携してインヴァストカードというクレジットカードを発行します。
ジャックスカードはREXカードや漢方スタイルクラブカードなど高還元率クレカを発行する会社としてクレジットカードに詳しい人に知られています。
漢方スタイルクラブカードとREXカードの還元率が改悪されて新規申込も停止に
証券会社がクレジットカードを発行するというのは珍しいですね。
インヴァストカードとは
まずインヴァストカードとはどんなクレジットカードなのでしょうか?
クレジットカードとしてのスペックやサービスについて確認してみます。
気になるポイント還元率や年会費
インヴァストカードの年会費ですが初年度無料で、次年度以降も年に1回の利用があれば年会費は無料となります。
気になるポイント還元率は利用額の1%ということで、年会費無料のクレジットカードとしては高いです。
年会費無料のクレジットカードで還元率1%のカードとしては楽天カードが有名ですね。
そして利用額の1%分が毎月自動的に現金化されてインヴァスト証券の口座へ反映されてETFに投資されるというのが今回のインヴァストカードの新しい試みになります。
対応する国際ブランドは、VISAのみでJCBやマスターカードブランドのカードは発行されません。
車の運転利用者に欠かせないETCカードについては、年会費無料となっています。
最近ではETCカードも有料になっている傾向があるので、これは嬉しいですね。
https://www.invast.jp/moneyhatch/invastcard/spec.html
インヴァスト証券の口座開設が必要
インヴァストカードの利用で貯まったポイントが1ポイント1円としてインヴァスト証券の口座に振り込まれて、それを原資に投資が行われます。
そのため、インヴァストカードを発行するにはインヴァスト証券のトライオートETFの口座を開設する必要があります。
保険関係(旅行傷害保険、盗難保険)について
年会費無料のクレジットカードでは旅行傷害保険が付帯されない場合も多いですが、インヴァストカードには国内旅行傷害保険が付帯されます。
保険の内容については、まだ情報が公開されていませんが、ジャックスカードの一般的な条件になるかと推測されます。
補償項目 | 保険金額 |
死亡 | 1000万円 |
後遺障害 | 30万円~1000万円 |
入院 | 1日あたり5000円 |
手術 | 1回あたり5万円~20万円 |
通院 | 1日あたり3000円 |
クレジットカードの旅行傷害保険では自動付帯か利用付帯かに分かれます。
より好ましいのは自動付帯です。
自動付帯だとクレジットカードを持っているだけで保険適用になります。
利用付帯だと旅行代金をクレジットカードで支払っている事が保険適用の条件となります。
旅行傷害保険以外では盗難保険もついています。
詳細はまだ不明ですが、こちらもジャックスカードの内容を参考にするとカードの盗難・紛失による不正使用の損害が、警察署への被害届の提出前後121日間補償しています。
Suicaなど電子マネー対応
インヴァストカードは、モバイルSuicaやSMART ICOCAへのチャージでクレジットカードポイントが貯まります。
尚、モバイルSuicaはビューカード以外だと年会費が発生します。
それ以外の電子マネーについては、nanacoや楽天Edyにもチャージ出来ますが、ポイントはたまりません。
nanacoは、下記各種社会保険料や税金、公共料金の支払いに利用できるため、nanacoにクレジットカードからチャージして支払うことが節約家に人気となっています。
- 国民年金保険料
- 国民健康保険保険料
- 固定資産税
- 自動車税
- 所得税
- 住民税
- 水道・ガス代
nanacoチャージでポイントが貯まる年会費無料のクレジットカードで、1.2%という高還元率を誇るリクルートカードが人気です。
ApplePay(アップルペイ)にも対応
2016年10月のiPhone7発表時にアップルペイがSuicaに対応することが発表されて話題となりました。
インヴァストカードを発行するジャックスカードは当初、アップルペイには対応していませんでしたが、2017年3月からは対応しています。
インヴァストカードのポイントが投資される仕組み
上の方でも紹介したようにインヴァストカードの利用で貯まったポイントが1ポイント1円としてインヴァスト証券の口座に振り込まれて、それを原資に投資が行われます。
そして投資はインヴァスト証券が提供するトライオートETFというサービスを利用して行われます。
トライオートETFとは?
そこで疑問に思うのがそもそもトライオートETFとはどんなサービスなのかということです。
トライオートETFはその名が示す通りETFを自動売買できるサービスとなっているのですが、取引するのはCFDとなります。
CFDとは?
CFDは日本語でいうと差金決済取引となります。
従って、CFDは株式版のFXと考えてもらえれば理解しやすいかと思います。
そもそもFXはCFDの一種なのです。
FXは実際に現物の通貨を売買しているわけではありませんが、それと同様にCFDでも実際の株式を売買しているわけではありません。
【トライオートETF】は現物ETFの取引ではなく、店頭CFD取引という差金決済の取引手法を採用しております。
海外ETFを取引するということは外国株投資と同じですので、通常、まず円貨を外貨へ両替する必要があり、また売却した際には外貨から円貨へ両替する必要が生じます。
つまり投資元本に対して為替変動リスクが発生します。
トライオートETFでは差金決済(CFD)の仕組みを採用することにより、実際の有価証券を保有しないことで購入代金の為替リスクを排除し、配当を受ける権利や差損益を受け取る権利、つまり経済的な便益だけを得ることができます。(ただし、評価損益に関しては、為替変動の影響を受けます。)【トライオートETF】トライオートETFと通常の現物ETFの違い
手数料について
トライオートETFを利用した際の売買手数料は無料で、為替手数料も無料です。
これはCFDのメリットの1つです。
ここまで聞くととても良いように感じますが、当然インヴァスト証券としては利益をあげなければいけません。
それではどこで利益をあげているのでしょうか?
それはFXと同じですが、取引価格のスプレッドです。
ETFの購入価格と売却価格に差が設けられていて、それが事実上の手数料となります。
また、FXのスワップ金利に該当するオーバーナイト金利がCFDにはあります。
CFDでETFを購入している場合は、金利を支払う必要があります。
逆にCFDでETFを空売りしている場合は、金利を受け取ることが出来ます。
金利は年間で1.25%+LIBORとなっています。
【トライオートETF】長期保有した場合、金利分でマイナスになりませんか?
ETFの配当・分配金について
トライオートETFでは現物のETFではなくCFDでETF銘柄の価格に連動するように設計された金融商品を売買します。
そこで気になるのが現物のETFを保有している際に私達に支払われる配当金や分配金です。
これはCFDでも受け取ることが出来ます。
まとめ
クレジットカードの利用で貯まったポイントを自動で投資にまわすという試みは、お釣りを自動で投資にまわすウェルスナビ等の新しいサービスと通じるものがあります。
ただ、ウェルスナビは現物のETFに投資するので仕組みが分かりやすいのに対して、インヴァストカードでの積立投資はCFDを使っているので、投資経験が少ない人やこれまでにFX取引を行ったことはない初心者には仕組みが分かり難いのが難点です。